サックスにオーバーホールは必要?不要?専門店が徹底解説!
今回はサックスのオーバーホールについて解説していきます。
サックス専門店的視点からの解説になりますが、みなさまのお役に立てれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いください。
サックスにオーバーホールは必要?不要?
ここからはサックスのオーバーホールについて解説していきます。
結論
結論から言うと一部例外を除きサックスにオーバーホールは必要ありません。
その理由については以下で詳しく説明していきます。
メンテナンスパックとは?
当工房ではメンテナンスパックと呼ばれるサックスに必要なメンテナンスが全て含まれたパックがあります。
このパックの内容は以下の通りです。
・全分解してのクリーニング
・キイのガタとり
・注油・組立
・全体調整
これら一つ一つについてはまた別記事のほうで詳しく解説させていただきます。
1年から1年半に一度このメンテナンスパックに出していただければオーバーホールは不要と言っていいでしょう。
タンポの交換
前項のメンテナンスパックにタンポの交換は含まれていないので、タンポ交換が発生する場合は別料金となってしまいます。
タンポ交換は1カ所数百円から2000円程度です。
当工房ではメンテナンスパックに出していただいた際にタンポの状態を説明し、交換が必要であればその旨をお伝えし、交換しています。
タンポの寿命は場所によって異なります。
例えばHighキイやクローズキイのタンポは寿命が短くなりがちです。
逆にLowキイなどは比較的寿命が長い傾向にあります。
このように全てのタンポが一斉に寿命を迎える事はないため、定期的にメンテナンスパックを受けていれば全タンポ交換やオーバーホールなどの高額修理を必要とすることはありません。
コルク・フェルト類の交換
コルクやフェルトなどもしようと共に劣化していきます。
特に主列(メインのキイ)などのコルクは、つぶれたりしてキイの開きが本来よりも広くなってしまう場合があります。
その場合、音程が極端に悪くなってしまいます。
また、コルクやフェルトが硬くなってガチャガチャとキイノイズが発生することもあります。
こういったコルクやフェルト類の不具合が発生した場合もメンテナンスパックで分解した際に交換の方をさせていただいております。
ベルの再篏合
一部の楽器を除き、サックスはU字管と2番管の継ぎ目を外せるようにできています。
この部分は接着剤などで息が漏れないようにしていますが、使用しているうちに接着が弱くなり、息漏れが発生する場合があります。
その場合は一度外して接着剤を入れなおす必要があります。
こういったケースでも当工房ではご説明の上で再篏合を行います。
オーバーホールが不要な理由
以上のように定期的に適切なメンテナンスを行っていればオーバーホールは不要です。
楽器が完全にダメになってしまってからオーバーホールなどをするのではなく、小さな不具合を定期的に直していくことで、楽器をよい状態に保っていくという考えの元、メンテナンスパックをご用意させていただいております。
大がかりな修理となると楽器をお預かりする期間も長くなってしまいます。
お手数化もしれませんが、1年に一度楽器を調整に出していただければ、長い期間楽器が手元にないという状態を経験せずに済みます。
また、オーバーホールや全タンポ交換は一般的に高額に設定されています。
一度に高額なリペアを行うよりも、定期的に少額の修理を行っていく方がはるかに経済的です。
オーバーホールが必要な楽器
例外としてオーバーホールを必要とするサックスもあります。
1つ目は定期的にメンテナンスを行っていない楽器です。
オイルが切れた状態で使い続けたり、寿命を過ぎたタンポで無理やりトーンホールを閉じさせて使用していると、金属同士が削れて部品を交換する必要がでてきたり、トーンホールの平滑さが失われてしまうことがあります。
こうなってしまうとオーバーホールなどの大規模な修理を行うほかなくなってしまいます。
また、適切な調整がされていない楽器での練習は効率が低下したり、変な癖がついてしまうこともあります。
上達のためにも定期的な調整は必須です。
2つ目は長く使用しておらず放置されていた楽器です。
これまで解説してきたようにサックスは定期的なメンテナンスが必須の楽器です。
長く使用していないサックスはコルクが硬化していたりタンポの革が乾燥して調整を行うことができなくなっていることが多いです。
保管していた環境によってはカビが生えてしまっていることもあります。
このような状態では先程説明したメンテナンスパックで修理できる範囲を超えており、オーバーホール・全タンポ交換が必要になるケースがほとんどです。
まとめ
今回はサックスのオーバーホールについてお話させていただきました。
この話題に関しては工房やリペアマンによって考え方が違ってくる部分だと思います。
この記事の考えが全てではありませんが、リペアに対する考え方の一つとしてお役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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