スマートフォンの発達とともに、楽器の練習に有用なアプリが次々と登場し、積極的に取り入れられるようになってきました。
普段からチューナーやメトロノーム、レコーダーをスマートフォンアプリで利用している方も多いのではないでしょうか。
今回は、【練習に役立つスマホアプリ5選】をご紹介いたします。日頃の練習にぜひ取り入れてみてください!
この記事の監修
昭和音大卒業後、2017年短期渡米、NYで研鑽を積む。現在静岡、浜松を基盤に演奏、音楽教室講師を務める。クラシックサックスからジャズサックスへの奏法の違いを日々研究している。
好きな練習は『オーバートーン』。
1.iRealPro (¥1720)
引用元:irealpro公式ホームページ
1つ目に紹介させていただくおすすめアプリ“iReal Pro”は自動カラオケ生成アプリです。
練習したい曲データをネット上のコード共有場所“フォーラム”からダウンロードして、好きなテンポに変えたり、練習したい場所を繰り返し再生したり、曲のリズムをスウィングからラテンに変えたりと、ジャズ、ポップス、ラテン、ロックなど幅広い曲調をカヴァーしています。フォーラムにデータのない曲は自分でコードを入力すれば、どんな曲でも伴奏を生成してくれる魔法の様なアプリです。
有料アプリながら、おそらく現在ジャズをはじめ多くのミュージシャンに最も使われているアプリではないでしょうか。
曲を伴奏付きで練習したい時に最適です。私は曲だけでなく、レッスンや自身の基礎練習にもコードを入力して伴奏を作成し使っております。
毎日の練習に使えるアプリです、今回紹介させていただくアプリの中でもマストバイといえるおすすめアプリです。
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2.iStroboSoft (¥1220)
引用元:App Store
こちらは演奏して音の正誤を判断するチューナーアプリです。
サックス演奏する時の音のズレ、を視覚的にどうズレているのかを教えてくれる機械をチューナーといいます。
チューナーアプリは検索すると無料のモノも多く見つかるのですが、こちらの”iStroboSoft”は吹奏楽などアンサンブルでよく使われるストロボチューナーを再現した、とても視認性に優れたチューナーアプリです。
回転する円盤が音が合ってくると動きが止まっていく、という音の高低を感覚的に判断しやすいストロボチューナーの特徴を再現しています。
とても音の正誤を認識しやすいチューナーアプリですので、一般的によく使われる左右にメーターが振れるタイプ以外のチューナーを試してみたいかたにおすすめです。
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3.Dhwani Tanpura(無料)
引用元:App Store
こちらはインド音楽で使われる楽器、シュルティボックスを再現したアプリです。
シュルティボックスは蛇腹を手で動かす事によって音を連続して伸ばし続ける楽器です。
このアプリでも任意の音を伸ばし続けててくれるので、楽器を演奏しながら音のズレを耳を使って合わせるトレーニングをすることが出来ます。
実際の演奏ではチューナーを使う視覚での判断以上に、音楽の最大のポイントである“音”を聴覚を使って判断していく事が重要です。
私たちの五感のうち1番鋭いのは”視覚“です、普段の練習や演奏では、楽譜を見て、チューナーを見て、メトロノームも聞きつつ見て、という具合に視覚をとても多く使っています。
この様な”聴く“アプリを使い意識的に”聴覚“を鍛えていく事が、良い演奏のために役立つとても大切なイヤートレーニングです。
耳を使うトレーニング方法を探しているかたにおすすめのアプリです。
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4.Drumgenius(無料、アプリ内課金制)
引用元:jazz guitar online
様々なリズムをドラムで演奏してくれる、メトロノームのドラムサウンド版といえるアプリです。400にも及ぶリズムパターンをカッコいい演奏で鳴らしてくれますので、これに合わせて曲を吹いたり、即興演奏をしたりと、セッションをする事でリズム感が鍛えられるアプリです。
価格はアプリ内課金制で、無料では3つまでパターンがダウンロード出来ますので、まずはプレビューで様々なリズムを聴きまくり、気に入った物をダウンロードしていくと良いと思います。
3つでは足りない、というかたは¥120で10個、¥370で50個、¥980で400個全てダウンロード可能です。
先述の“iRealPro”も伴奏アプリとして色々なリズムに触れる事が出来ますが、こちらのアプリ”Drumgenius”はその名の通り、ドラム再生についてよくもこれだけクオリティーの高いアプリを作ってくれた!と、感謝の念が尽きません。
カッコイイリズムに合わせて練習したい、演奏したいかたにおすすめです。いつもの基礎練習もとっても楽しくなります。
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5.mimiCopy(¥610)
引用元:minicopy公式ホームページ
ジャズサックスを演奏したい、アドリブを演奏したいかたが取り組むべき練習の1つに”耳コピー“という練習の方法があります。
内容は、楽譜を使わずに(視覚で音を捉えずに)音を聴いて、どんな音の高さか(音名)、どんな長さか(リズム)そして、楽譜に書ききれない音毎の音色やニュアンスをよく聴いて真似をして自分の感覚の中に取り込んでいく。という究極のインプット練習方法が”耳コピー“です。
そんな大切な練習方法”耳コピー“ですが苦手なかたにとっては、慣れるまでの段階は本当に辛い時間に感じると思われます(私自身が苦手でした)。
そんな”耳コピー“を快適に行う為に有効なアプリがこの”mimiCopy”です。
このアプリの最大の機能は、音高を保ちながら速さが変えられる、という点です。
、、と言いたいところなのですが、ご存知のかたも多くいらっしゃると思いますがこの再生速度変更は”YouTube”でも可能です。
なんだ、それじゃ耳コピーはYouTubeで練習すればよいじゃん、と思われるかもしれません。
しかし、このアプリ”mimiCopy”には再生速度を変えられる事以外にも、たくさんの耳コピーを快適に、効率的にするための機能がいくつも備えられております。
App Store
1、再生場所を指定したリピート再生機能
この機能は耳コピで音が採りづらく、何度も同じ場所を繰り返し聴きたい時に便利です。
2、クイック巻き戻しボタン
カスタマイズ可能なワンタップで好みの秒数を戻るためのボタンが3つ用意されています。
YouTubeはワンタップで10秒固定の巻き戻し(早送り)ですので、ほんの少しだけ戻したい、という様な場合にこのアプリ”mimiCopy”では0.5秒、1秒、1.5秒、2秒、以降は1秒単位で50秒まで好みの秒数で設定可能です。
3、バックグラウンド再生
アプリを閉じても再生を続けてくれる機能です。
ボイスメモを立ち上げて”mimiCopy”での再生音と楽器演奏の音を重ねて録音する事も可能です。耳コピーした内容が合っているかを確認したい時におすすめの使用方法です。
4、スピード調整が1%ずつ可能
YouTubeでは25%単位での速度調整が可能ですが、こちらの”mimiCopy”では1%単位での速度微調整が可能です。
25%はかなり大きな速度の違いなので、おすすめは10%くらいずつの調整で聴きやすい速さを設定すると良いと思います。
5、様々な音源インポート先が選べる
YouTubeはサイトにアップロードされたものだけが再生可能ですが、こちらの”mimiCopy”では自分のスマホに入っている音源をインポートして再生が可能です。
クラウドに保存してある物も可能で、iCloud Driveや Google Drive、One Drive、Drop Boxに対応しています。
この様な細かい調整方法を使用すれば、耳コピーの練習もとっても効率よく取り組む事ができますので、まだあまり耳コピーが得意ではない、というかたにおすすめアプリです。
まとめ
今回の記事では【練習に役立つスマホアプリ5選】をお送り致しました。
スマホアプリを使う事で、日々の練習が効率よく、楽しく上達しやすくなっていきます。
今回のアプリを試していただく事で、今まで取り組みづらかった内容や、新たなステップに進むキッカケになれば嬉しいです。
様々な練習内容に合ったアプリをお試しいただき、ご自身の練習方法を構築していきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。