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ヤマハバリトンサックスラインナップまとめ!カスタム82のスペックは?

2020年12月19日、ヤマハからついにバリトンサックスとしては初となるカスタムモデル【YBS-82】が発売となりました!

これに合わせて、2020年10月26日に現行機種だったYBS-41Ⅱは【YBS480】に、YBS62Ⅱは【YBS62】へとフルモデルチェンジし、実に26年ぶりにバリトンサックスのラインナップが一新されました。

YBS-82の希望小売価格は1,150,000円(税抜)と、100万円超えの価格からも、ラインナップ刷新にヤマハの本気が伺えますね!

今回は【ヤマハバリトンサックスラインナップまとめ!カスタム82のスペックは?】についてご紹介します!

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ヤマハバリトンサックスラインナップまとめ

ここではまず、生産完了品のYBS-41Ⅱ・YBS62Ⅱと新モデルYBS480・YBS62との違いに焦点を当ててご紹介していきます。

YBS-41Ⅱ(生産完了品)

引用元:ヤマハ株式会社公式ホームページ

1996年発売開始。希望小売価格価格580,000円(税抜)

長い歴史の中で幾度となく価格変更を繰り返してきましたが、発売当初は40万円代半ばと抜群のコストパフォーマンスを誇る事から、特にアマチュアサックス奏者、吹奏楽部員の方に大人気の楽器でした。

Made in Japanのバリトンサックスが40万円台で手に入る、というのは衝撃的な事で、発売から20年以上経過した現在でも根強い人気を誇るモデルになります。

YBS-480(新モデル)

引用元:ヤマハ公式ホームページ

2020年10月発売。希望小売価格600,000円

YBS41Ⅱからのフルモデルチェンジで、YBS480へと生まれ変わりました。従来と変わらず彫刻は無く、High F#キイもありません。

最も大きな変更点は、キイレイアウトの刷新です。

フロントFキイはアルト・テナー62以下のモデルで採用されているティアドロップ型からアルトのカスタム875EXⅡでも採用されている稼働式となり、よりスムーズな動きを実現しています。

稼働式フロントFキイ

引用元:ヤマハ公式ホームページ

右手小指のテーブルキイは、従来はアルト・テナー62以下のモデルと共通のタイプでしたが、操作しやすいよう大型化しました。

右手小指テーブルキイ

引用元:ヤマハ公式ホームページ

その他、左手パームキイ・テーブルキー、Low A、オクターブキイ等が見直されています。

左手パームキイ・テーブルキー、Low A、オクターブキイ

引用元:ヤマハ公式ホームページ

YBS41Ⅱ・YBS480比較表

YBS41Ⅱ YBS480
発売年 1996年 2020年10月
希望小売価格 580,000円(税抜) 600,000円(税抜)
仕上げ ゴールドラッカー ゴールドラッカー
ベル 3枚取り 2枚取り
ベル彫刻 無し 無し
指貝 ポリエステル ポリエステル
ネック 付属ネック 62ネック
付属キイ フロントF、Low A フロントF、Low A
フットペグ ペグ受け有り、付属 新軽量化ペグ受け有り(ペグ棒は付属無し)
付属マウスピース BS-5C BS-5C
ケース BSC-41Ⅱ BSC-41Ⅲ

YBS62Ⅱ(生産完了品)

1990年頃、初代からマイナーチェンジ。希望小売価格810,000円(税抜)。

ヤマハ製バリトンサックスの上位モデルで、吹奏楽部員の学生からトッププレイヤーまで幅広く愛されたモデルです。

吹奏楽経験者の方は、学生時代、学校の備品がこちらだったという方も多いのではないでしょうか。

彫刻、フットペグ有、ベルは2枚取りで、High F#キイも装備しています。

YBS62(新モデル)

2020年10月発売。希望小売価格830,000円(税抜)。

YBS62Ⅱからのマイナーチェンジではなく、フルモデルチェンジした新たなヤマハ製バリトン【YBS62】という位置づけです。

その設計思想はカスタムモデルに近く、キイレイアウトが見直されて操作性が向上。ベル形状も一新しています。

アルト、テナーと同様、一体鍵柱座(ケンチュウザ)を多数装備し、楽器の体積もYBS480よりも大きく、より豊かな響きを実現しています。

YBS62Ⅱ・YBS62比較表

YBS-62Ⅱ 新YBS-62
発売年 1990年頃 2020年10月
希望小売価格 810,000円(税抜) 830,000円(税抜)
仕上げ ゴールドラッカー ゴールドラッカー
ベル 2枚取り 2枚取り
ベル彫刻 あり(手彫り) あり(手彫り)
指貝 白蝶貝 ポリエステル
ネック 付属ネック 62ネック
付属キイ フロントF、Low A

High F#

フロントF、Low A

High F#

フットペグ ペグ受け有り、付属 新軽量化ペグ受け有り(ペグ棒は付属無し)
付属マウスピース BS-5C BS-5C
ケース BSC-62Ⅱキャスター付き BSC-62Ⅲキャスター付き

カスタム82のスペックは?

ここでは、ヤマハ初となるカスタムバリトンサックス、YBS-82についてご紹介します。

発売年 2020年12月
希望小売価格 1,150,000円(税抜)
仕上げ ゴールドラッカー
ベル 1枚取り
ベル彫刻 あり(手彫り)
指貝 白蝶貝
ネック BC1
付属キイ フロントF、Low A

High F#

フットペグ ペグ受け有り、ペグ棒付属
付属マウスピース BS-5CM
ケース BSC-62Ⅲキャスター付きハードケース
バリエーション YBS-82WOF(F#キーレスモデル)/1,150,000円

YBS-82S(銀メッキモデル、受注生産)/1,250,000円

YBS-82の新規設計

①新規形状のベル

引用元:(株)ヤマハ公式ホームページ

従来のモデルに比べ、ベルの全長が短くなり、音孔のレイアウトも刷新されました。

以前のモデルは低音域の音程が少し下がり気味でしたが、より安定した音程が得られる上、均一な音色の実現に成功しています。

②キイレイアウト刷新

引用元:(株)ヤマハ公式ホームページ

YBS-480/62同様、キイレイアウトも刷新されています。

キイは新規に設計された部品を採用し、軽量化を施しているため楽器の重心バランスも改善し、より自然なポジショニングを実現しています。

③新規ネック採用

引用元:(株)ヤマハ公式ホームページ

YBS-82のために開発された【カスタムBCネック】を採用しています。

付属の【BC1ネック】はレスポンスの速さが特徴のタイプですが、オプションで他のタイプのカスタムネックを選択することもできます。

  1. BC1【C1タイプ】 息を入れてから音になるまでのレスポンスの早さが特徴で、歯切れよく、芯のある音を自由に操ることが出来ます。
  2. BE1【E1タイプ】 響きとレスポンスのバランスの良さが特徴で、低音から高音まで、均一で安定的に演奏することが出来ます。
  3. BV1【V1タイプ】 豊かな響きと音量感が特徴で、息を吹き込む程にしっかり鳴ってくれる吹奏感を感じながら演奏することが出来ます。
品番 材質 塗装・メッキ 価格(税抜)
BC1 イエローブラス ゴールドラッカー 32,000円
BC1AG スターリングシルバー クリアラッカー 72,000円
BC1GP イエローブラス 金メッキ 67,000円
BC1S イエローブラス 銀メッキ 37,000円
BC1UL イエローブラス 無し(アンラッカー) 32,000円
BE1 イエローブラス ゴールドラッカー 32,000円
BE1AG スターリングシルバー クリアラッカー 72,000円
BE1GP イエローブラス 金メッキ 67,000円
BE1S イエローブラス 銀メッキ 37,000円
BE1UL イエローブラス  無し(アンラッカー) 37,000円
BV1 イエローブラス ゴールドラッカー 32,000円
BV1AG スターリングシルバー クリアラッカー 72,000円
BV1GP イエローブラス  金メッキ 67,000円
BV1S イエローブラス 銀メッキ 37,000円
BV1UL イエローブラス 無し(アンラッカー) 37,000円

④新型フットペグ

フットペグも軽量化した新型が採用されています。

以前のフットペグとペグ受けはそれなりの質量があったため、脱着による音色への影響や違和感がありましたが、軽量化によりそれを払拭しています。

新型ペグとペグ受け

引用元:(株)ヤマハ公式ホームページ

参考・旧ペグとペグ受け(画像はYBS-62Ⅱ)

引用元:(株)ヤマハ公式ホームページ

⑤マウスピース

マウスピースもソプラノ・アルト・テナー同様、カスタムマウスピースが付属するようになりました。

BS5CMは、コントロール性に優れ、クリアな音色を持つ、奏者の想う色彩豊かな音楽表現を可能にするマウスピースです。

バリトンサックスのマウスピースは値が張るので、これは嬉しい改良点ですね。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

以前は若干の心もとなさも感じさせるラインナップでしたが、フルモデルチェンジにふさわしく、新規採用が盛りだくさんの充実したラインナップとなりました。

高額とはいえサックス吹きなら憧れる方も多いであろうバリトンサックス、この機会にぜひいかがでしょうか?

今回は【ヤマハバリトンサックスラインナップまとめ!カスタム82のスペックは?】についてご紹介してきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ABOUT ME
wanitaro
楽器工房 鰐田商店代表。某楽器総合メーカーにて管楽器修理技術を習得したのち独立、サックスの修理・調整を得意とする他、自身でも演奏活動を行っています。その傍らフリーランスWebライターとしての活動も行っており、ブログ執筆、HP作成等も得意としています。