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聞いておきたいジャズサックスプレーヤー【アルト・テナーサックス以外のプレーヤー編】

こんにちは、今回の記事では以前紹介させていただいたアルトサックス、テナーサックス以外のサックスプレーヤーを紹介させていただきたいと思います。

聴いておきたいジャズサックスプレーヤー8選【アルトサックス編】素晴らしいジャズサックスプレイヤーはたくさん存在しますが、多すぎてどの人から聞いていいかわからない!という方も多いのではないでしょうか?今回は森山瑞樹先生監修、聞いておきたいジャズサックスプレイヤーについてご紹介します!...

聞いておきたいジャズサックスプレーヤー

1.ソプラノサックス/SidneyBechet シドニー・べシェ

一般的多く使われるソプラノサックスは真っ直ぐな形をしたサックスです。

テナーサックスより1オクターブ上の音域を演奏することが出来、テナーサックス奏者の持ち替え楽器として演奏されることが多い楽器です。

そんなアルトやテナーサックスの持ち替え楽器、と見られてしまう事もあるソプラノですが、ソプラノをメインに演奏する名プレーヤーもいます。

今回紹介するシドニー・べシェはクラリネットを幼少期から始め、デビュー後にソプラノサックスとクラリネットの演奏で人気を博したプレーヤーで、アメリカ以外での演奏でも活躍しました。

2.ソプラニーノサックス/渡辺貞夫

アルトサックスプレーヤーとして沢山の名曲と名演奏を録音され、現在もなお精力的に活動をされる日本を代表する名サックスプレーヤーの渡辺貞夫氏はアルトサックス以外にも、ソプラニーノサックスの演奏でも有名です。

このソプラニーノサックスという楽器はアルトサックスの1オクターブ上の音域を演奏することができる楽器で、見た目はソプラノサックスを小さくしたような形です。

アルトプレーヤーが持ち替えこのソプラニーノサックスを使うと、アルトと同じキー(調性)で1オクターブ上の音域を演奏することができます。

ちょうどテナーサックスとソプラノサックスが1オクターブ違いの音域を持っている様な関係です。

見た目はソプラノに近いですが、サウンドの方向はソプラノよりオープンな響きを持っており独特の音色が魅力です。

3.バリトンサックス/Gerry Mulliganジェリー・マリガン

以前書かせていただいた記事”おすすめCD5選”ではバリトンサックスのサージ・チャロフを紹介させていただきました。

今回紹介するバリトンサックス奏者は、世界No.1バリトンサックスプレーヤーと評されるジェリー・マリガンです。

柔らかさと味わい深い音色のバリトンサックスサウンドは一度聴くとハマります。

ジェリー・マリガンはサイドマンとしても、リーダーとしても名盤を数多く残しております。

ジェリー・マリガンはバリトンサックスだけでなくピアニストとしても自身のレコーディングで演奏していたり、アレンジャーとしても手腕を奮っておりました。

ピアノ、ベース、ドラムスに加えて管楽器が増えることが多かったジャズ演奏のスタイルの時代に、トランペット、バリトンサックスにベース、ドラムスというピアノレスの編成による活動もしていました。

マイルス・デイヴィスのアルバム“クールの誕生“ではアルトサックスのリー・コニッツと共に歴史的なレコーディングに参加しました。

4.バスサックス /Leo P レオ・ピー

Leo Pはバリトンサックスの驚異的なパフォーマンスで有名なアーティストです。もちろんメインはバリトンサックスですが今回は楽器の紹介をさせていただきたいという事もありバスサックスでの演奏を書きました

上記のソプラニーノに並び希少価値の高いバスサックスは、テナーサックスの1オクターブ下の音域を演奏することのできるサックスです。

現在は一般的にソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類が使われる事が多いですがサックスの発明された初期は、バリトンサックスとバスサックスの低音域のサックスが吹奏楽団で多く使用されておりました。

5.その他のサックス /Roland Kirk ローランド・カーク

今回の記事はこの“Roland Kirk”ローランド・カークを紹介させていただきたく書いたと言っても過言ではありません。
テナーサックスのみの録音も多く残されておりますが、このローランド・カークの演奏スタイルの特徴の1つに3本のサックスを同時に吹く演奏法があります。

また、使用する楽器も通常のテナーサックス以外に、Manzello(ローランド・カーク独自のカスタマイズを施したソプラノサックスの仲間Saxelloの改造版)やStritch(アルトサックスを真っすぐにしたような形状、そ)など独自のカスタマイズされたものを使用しオリジナリティ溢れる演奏をしております。

今回紹介するYouTubeではこの3本を使った演奏をお聴きいただきたいと思います。

サックス以外にも沢山の楽器を操り、フルートでの録音、クインシージョーンズのSoul Bossanovaでの熱量溢れるフルートソロは誰もが1度は聴いた事のある名演奏です。

まとめ

いかがでしたでしょうか、世の中にはいろいろな種類のサックスがありますね。

前回のアルト編、テナー編に続き今回の記事では、様々な種類のサックスによる演奏、プレーヤーを紹介させていただきました。

アルトとテナーがサックスの種類としては有名ですが、今回紹介させていただいたようにようにとても沢山の種類のサックスが存在します。

同じサックスと名前のつく大きさが異なる楽器ですが、それぞれに違った音色のキャラクターを持っております。

アルトやテナーサックスを演奏される方は、持ち替えの楽器として今回紹介させていただいたようなサックスにも挑戦されてはいかがでしょうか。

最後までご覧いただきありがとうございました。

ABOUT ME
森山 瑞樹
昭和音大卒業後、2017年短期渡米、NYで研鑽を積む。現在静岡、浜松を基盤に演奏、音楽教室講師を務める。クラシックサックスからジャズサックスへの奏法の違いを日々研究している。 好きな練習は『オーバートーン』。