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ヤナギサワのテナーサックスラインナップまとめ

アルトサックスでもご紹介したヤナギサワのサックスは、エントリーモデルからハイエンドモデルまで、磨き抜かれた精巧な技術と丁寧な作り込みで大人気のサックスです。

今回は「ヤナギサワのテナーサックスラインナップまとめ」についてご紹介します!

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ヤナギサワ テナーサックスラインナップまとめ

 

アルトサックスの項でもご紹介した通り、ヤナギサワのWOシリーズは「ライト仕様」と「ヘヴィ仕様」で構成されており、それぞれ音質や吹奏感が異なります。

それぞれの仕様の特徴を見てみましょう。

ライト仕様(WO1・WO2)

軽い吹奏感を活かしつつも音痩せしない、しっかりとした響きを持つ。

ヘヴィ仕様(WO10・WO20・WO37)

太い音と豊かな響きを持ち、重量感のある吹き心地を楽しめる。

ヤナギサワのアルトサックスラインナップの記事でも解説しております。是非合わせてお読みください。

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それではヤナギサワのテナーサックスのラインナップとその特徴、仕様を見て行きましょう。

T-WO1

引用元:柳澤管楽器公式ホームページ

標準価格:330,000円(税抜)

T-WO1は軽い吹奏感のライト仕様。以前の”T-902Ⅱ”の後継機種として発売されました。

ヤナギサワのテナーサックスのラインナップの中では最も安価な普及モデルとなります。

最安モデルとはいえさすがのヤナギサワと言える造りで、前モデルから様々な改良が加えられています。

High F#キー付き、白蝶貝キーボタン、「サムの魔法使い」標準装備と充実した仕様で、シンプルながら美しい彫刻も入っています。

ヤナギサワの持つノウハウが惜しみなく投入された、初心者~上級者まで幅広いプレイヤーに愛されているモデルです!

T-WO2

引用元:柳澤管楽器公式ホームページ

標準価格:350,000円(税抜)

T-WO2に搭載されているメカニズムはT-WO1とほぼ同じですが、管体に使用されている材質が異なります。

T-WO1はBrass(ブラス)、T-WO2はBronze Brass(ブロンズブラス)と呼ばれる材質が管体に使用されています。

それぞれの違いを見てみましょう。

Brass(ブラス)とBronze Brass(ブロンズブラス)の違い

真鍮は銅と亜鉛の合金。特に亜鉛の添加量でその特性は大きく変化するため、添加量の違いによりそれぞれに名称もつけられている。

例:

・亜鉛量1~2% 雷管用銅

・亜鉛量4%~22% 丹銅

・亜鉛量28%~32% 七三黄銅 など。

ヤナギサワはこの材質の配合割合により、サックスに適した「まろやか」な音色が得られることを発見。

「ヤナギサワブラスシリーズ」は明るく豊かな響きが特徴で、ポップスなどにも適します。

「ヤナギサワ ブロンズ シリーズ」は豊かな音色でありながら非常に音の伸びが良く、コンサートホールの隅々まで美しい音が広がるため、特にクラシックに向いています。

特に吹奏楽やクラシックをメインに演奏する方は、響きや抵抗感を重要視する傾向があります。

T-WO1より高めの価格設定となっていますが、そういったプレイヤーにはこちらの方が向いているでしょう。

T-WO10

引用元:柳澤管楽器公式ホームページ

標準価格:445,000円(税抜)

T-WO10は鳴りの良さと豊かな響きが売りのモデル。程よい抵抗感を持つ「ヘヴィ仕様」です。

特注により+25,000円でHigh F#キーレスモデルも受注しています。

T-WO10と次にご紹介するT-WO20は、ヤナギサワサックスの代名詞とも言える「アッパースタイルネック」となります。

スタンダードネック

引用元:ヤマハ公式ホームページ

アッパースタイルネック

オクターブ機構が異なるのがおわかりいただけるかと思います。

多くの他社プロモデルが軽い吹奏感に向かう傾向の中、響きを損なわずに重厚感のあるしっかりとした吹き心地の楽器に仕上がっています。

ある程度の抵抗感がある楽器を好む方におすすめのモデルです!

T-WO20

引用元:柳澤管楽器公式ホームページ

標準価格:540,000円(税抜)

T-WO20は、T-WO10のブロンズブラス版となります。

管体をブロンズブラスとする事で「ヘヴィ仕様」の長所である鳴り、響きより高まっています。

その分抵抗感はT-WO10に比べてやや増しますが、コンサートホールなどで「遠鳴り」させた時の気持ち良さは別格です!

特に吹奏楽、クラシック奏者の強い味方となるでしょう。

T-WO37

転載元:柳澤管楽器公式ホームページ

標準価格:1,120,000円(税抜)

ヤナギサワ製サックスの最高位に位置するT-WO37は、シルバーソニックと呼ばれる銀を素材とした管体を使用した、深く芳醇、かつパワフルな音色を追求したモデルです。

掲載している写真はクリアラッカー仕上げですが、+650,000円で受注生産となる金メッキ仕上げ(T-WO37GP)、ピンクゴールド仕上げ(T-WO37PGP)といったモデルも存在します。

驚くほど高価ですが、芸術品とも言える美しい仕上げ、手に吸い付くようなキイアクションなど、確かな職人の技術を感じる一級品です!

管体は真鍮よりはるかに比重の思い銀を使用しているため、かなりの重量があります。

重量に比例して楽器を鳴らすためのブレスにもそれなりのパワーが必要となるため、使いこなすにはある程度の体力、技術、経験が必要となるでしょう。

音色は全体的に太くダーク。それでいて音のエッジが立つ高温の倍音をしっかり含んでいるので、どんなシチュエーションでも音が埋もれる事なく力を発揮してくれます。

 

 

マイク乗りも良く、全力で吹き込んでもさらなる「その先」を予感させてくれる懐の深さを持つため、まさに一生を通して向かい合って行ける楽器と言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

決して安価とは言い難いヤナギサワのテナーサックスのラインナップですが、その理由はおわかりいただけるかと思います。

楽器の持つ性能はもちろん、芸術品の域ともいえるルックスを併せ持ったヤナギサワのテナーサックスは、どれを選んでも必ずあなたの良きパートナーとなってくれるはずです!

今回は「ヤナギサワのテナーサックスラインナップまとめ」をご紹介しました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ABOUT ME
wanitaro
楽器工房 鰐田商店代表。某楽器総合メーカーにて管楽器修理技術を習得したのち独立、サックスの修理・調整を得意とする他、自身でも演奏活動を行っています。その傍らフリーランスWebライターとしての活動も行っており、ブログ執筆、HP作成等も得意としています。