サックスを始めて、音が出せるようになってくると変えてみたくなるアイテム。それは音の要、マウスピースです。
今回はアルトのジャズ向けマウスピースのオススメを5つ紹介させていただきます。
昭和音大卒業後、2017年短期渡米、NYで研鑽を積む。現在静岡、浜松を基盤に演奏、音楽教室講師を務める。クラシックサックスからジャズサックスへの奏法の違いを日々研究している。
好きな練習は『オーバートーン』。
おすすめのジャズ系マウスピース5選・アルトサックス編
1、ジャズアルトサックスの王道メイヤー(Meyer)
いきなり超王道、ザ・スタンダードですが、ジャズアルトサックスサウンドの歴史はこのマウスピース無くして語れない、と言える程の名品です。
使用プレイヤーは渡辺貞夫、キャノンボールアダレイ、フィルウッズなど。
気持ちの良い鳴りのジャズアルトサックスサウンドはこのマウスピースとともに名演奏、名盤を生み出してきたジャズサックス殿堂入りマウスピース、と言っても過言では無いでしょう。
Made in USAのメイヤーは個体差も大きく、10本吹き比べれば10通りの異なる吹き心地、サウンドがする程です。
一見マイナス点に思える個体差ですが、ご自身の吹きたいイメージにハマる物が見つかった時は感動モノです。
メイヤー定番のモデルは5MMを使うプレイヤーが多いですが、6MMも人気があります。
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2、メイヤータイプの優等生ヴァンドレンV16
世の中にメイヤー系と呼ばれているマウスピースは数多く発売されていますが、その中でもダントツ人気のマウスピースは、リードメーカーとしても有名なヴァンドレン(Vandren)のV16です。
こちらのマウスピース最大の特徴は製品の精度がメチャクチャ高いところです。
また製品管理としての面白い点はマウスピースのお尻の部分を見ると何種類か刻印が打ってあり、仕上げた職人さんがマークによって判別できるようです。
マークごとにサウンドの方向が若干異なるのですが、いわゆるハズレはほぼ無いマウスピースですので、ジャズ初心者のかたも安心して購入できるマウスピースと言えるでしょう。
このマウスピースの1番人気は“A5S”というモデル(現在はマイナーチェンジにより製品名はA5S+)です、私自身はA5Sと同じキャラクターの方向性を持ちティップオープニング(リードとマウスピースの先端の隙間)が広い“A8S”を好んで使用しております。
“V16のA5S”は先述のメイヤー5番を意識したモデルでありながら、スモールチェンバー(内側の形状が少し細い)という特徴を持ち、このデザインがとても良いバランスを生み出し、最高の吹き心地と、透き通る爽やかなサウンドを作りだしています。
V16ラインナップは現在マイナーチェンジによりモデル名が【A5S+】になっており、この+名が付いたモデルでは従来品の欠点(?)だったネックの奥まで差し込めない、という点が改善されております。
サウンドは+がつく以前のモデルから比べると少しブライトな傾向にあるようですが、現在も人気を誇る現代を代表する新定番マウスピースです。
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3、世界で評価させるハンドメイドマウスピースKen Okutsu
日本人マウスピース職人、奥津乾(オクツケン)氏によるハンドメイドマウスピース。
定番モデルは【Traditional】と名のついたメイヤータイプのマウスピースが人気ですが、近年はNYで活躍する人気ジャズプレイヤー、ヴィンセントハーリング監修のカスタムモデル、【Vincent Herring Custom】が国内外のジャズプレイヤーに絶大なる支持を得ております。
Vincent Herring 氏の使用サイズは“6L”です。
多数のトッププレイヤーを虜にするマウスピースを一生モノとして所有されてはいかがでしょうか、私自身も大好きなマウスピースメーカーです。
4、これから期待のニューカマー、Syos(サイオス)
こちらはこれからの定番になりうるメーカー、Syos(サイオス)を紹介させて戴きます。
このマウスピースメーカーの特徴は3Dプリンタ出力による“セミオーダータイプ”という部分にあります。
どのような方法で購入するかというと、先ずフランスのSyosホームページからコンタクトを直接取り、希望のサウンド、雰囲気、好みのマウスピースタイプなどをメールで相談をすると、Syosスタッフさんが好みに合わせて、デザインを提案してくれる。というワクワク展開のマウスピース屋さんです。
様々な有名プレイヤーのシグネチャーモデルもあり、そちらを基に少しティップオープニングを調整して作製してもらう事も可能です。
届いてから30日以内であれば返品も可能で、私もオーダーして数日試してからSyosとメールでやりとりして少しティップオープニングを再調整したものを再度作って送って貰いました。
この様な個人で気軽にオーダーできるタイプ、のマウスピースは今まで皆無でしたので、こんなイメージのマウスピース無いかな?と音のイメージ先攻でマウスピースを探しているかたにピッタリだと思います。
5、メタルの雄、ヤナギサワ(Yanagisawa)
ここまで金属製のマウスピース、通称メタルを紹介していなかったのですが、本記事のラストに1本だけ紹介させていただこうと思います。
ヤナギサワは日本が世界に誇る国産サックスメーカーで、本体のみならずリガチャー、指かけ、ネックスクリュー、などオリジナルパーツの豊富さでも有名なメーカーです。
そのサックスオタクメーカーの作るメタルマウスピース。
これは間違い無いです、私はヤナギサワのフェアで試しに吹かせて頂き、作りの良さにびっくりしてその場でアルト、ソプラノと購入の取り寄せ注文をさせて戴きました。
アルトはラバーがメインに使うことが多くなりましたが、ソプラノ用は何度新しいメーカーのマウスピースを購入しても、このメタルに戻ってきてしまいます。
今思い返すと何本か所有しているメタルの中で1番多くの機会に使用してきたモデルです。
私は#7を使っておりますが知り合いミュージシャン所有の#6を吹かせてもらったらそちらもとても良かったですね。最初は無理なく#6あたりのサイズが良いかと思います。
まとめ
今回はジャズサックスのオススメマウスピースを5つ紹介させて戴きました。
またの機会に、テナーサックス編、ソプラノサックス編、バリトンサックス編もお送りできれば、と思っております。
みなさまのマウスピース選びの参考になれば嬉しいです、ご覧いただきありがとうございました!