マウスピース、リードとともに、音色はもちろん吹奏感に大きな影響を与えるリガチャーですが、経験上、リガチャーの重要性を見落としている方は意外と多い印象です。
吹奏楽やクラシックは細やかな表現を必要とする機会が多いため、リガチャーが大きく関与する「吹奏感」「抵抗感」の調整は重要な課題です。
今回は、【吹奏楽・クラシックにおすすめのリガチャー】についてご紹介します。
普段からリガチャーをしっかり選んでいる方もそうでない方も、ぜひご覧になってセッティング調整のご参考にしていただければと思います。
大垣女子短期大学音楽総合科卒業。
第16回長江杯国際音楽コンクール第5位。第61回大垣市新人招待演奏会出演。
これまでにサクソフォンを長瀬正典、渡邊愛子、遠藤宏幸に師事。
ヤマハ音楽振興会認定講師。浜松生涯学習音楽協議会指導員。
吹奏楽・クラシックにおすすめのリガチャー
吹奏楽・クラシックのセッティングにおすすめのリガチャーを5つご紹介します。
Wood Stone(セルマーラバー用)
GP(金メッキ),PGP(ピンクゴールドメッキ),SS(銀メッキ)など
石森管楽器から販売されているリガチャーです。クラシック、吹奏楽界のなかで最もポピュラーな品番で二つねじの逆締めタイプです。
華やかで響きがあり、まとまりのある音色が特徴です。より柔らかな音色を出したい方はPGP、芯のある落ち着いた音色を出したい方はSSをお勧めします。
※大変人気の商品のため購入が困難になっています。(ひどいと1年待ちなど)
すぐ手元にリガチャーが欲しい方は他のメーカーをおすすめします。
BG トラデション
L10(アルトGL), L11(アルトGP),L40(テナーGL),L41(テナーGP)などウッドストーンと肩を並べる人気の品番で、一つねじの逆締めタイプです。
マウスピースの横から見るとBの形をしているのが特徴です。また、専用キャップも付属しています。
ウッドストーンと比べると、息がストレートに入りやすく少し輪郭がはっきりしていてパワフルに鳴らすこともできます。より響き豊かに華やかな音色を出したい場合はL11,L41をおすすめします。
HARRISON HURTZ ハリソンハーツ(復刻版)
元々はフランスのメーカーでしたが生産完了してしまったため、現在は日本製のハリソンが販売されています。
二つねじの逆締めタイプでリードが当たる面がHの形になっているのが特徴的です。
Wood Stone、BGと比べると軽い吹き心地、華やかで柔らかい音色で、表現の幅も広く昔からプロ、アマチュア問わず多くのプレイヤーに愛用されています。
またより豊かな響きのある音色で吹きたい方には、従来のモデルよりも厚みのある金属で作られているForte(フォルテ)シリーズがおすすめです。
※あまり強すぎる力でねじを締めるとHの部分が切れてしまう場合があるので注意しましょう。
ヤナギサワ Yany SIXS(GL,GP)
サックス三大メーカーのヤナギサワが2019年3月から販売している新シリーズのリガチャーです。
一つねじの逆締めタイプでリードが当たる面がYの形になっていたり、装飾ねじが用いられているのが特徴です。また今では珍しい白色のキャップも付属しています。
吹き心地としてはWood StoneとBGの中間のような感じで音がよくまとまります。
これからどんどん人気もでてくるかもしれません。
H.Selmer セルマー (GL,GP,PGP.SP)
三大メーカーのセルマーのリガチャーです。一つねじの逆締めタイプでセルマーの楽器を購入しても純正リガチャーとして付属してきます(GLのみ)
他のメーカーよりも軽い吹き心地で何を選んでいいのかわからない初心者の方にはとくにおすすめです。また、他のメーカーよりも安価なのでいきなり高額なものは抵抗がある方にもおすすめできます。
D.BONARDE ダニエルボナード(GL,GP,NP)
フランスのメーカーです。二つねじなのですが正締め、逆締めの両方のタイプがあります。
(どちらかというと逆締めが主流です。)
Wood Stone,BG,Yany SIXSなどよりも吹き心地は軽く艶やかで落ち着いた音色と遊びが効くのが特徴です。また珍しいニッケル素材もあるので変わった素材が気になる方にもおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?同じモデルのリガチャーでも素材によって吹奏感に大きな変化をもたらします。
リガチャーの形状、ネジの順締め・逆締めによっても多種多様な吹奏感が得られるので、セッティングは悩みどころですよね。
とはいえセッティングを研究して理想の音色を求めるのもサックスの楽しみの一つ。皆様のセッティングの研究の一助にしていただければと思います。
今回は、【吹奏楽・クラシックにおすすめのリガチャー】についてご紹介しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!