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ジャズスタンダードバイブル・通称【黒本】を使った練習アイデア

こんにちは、今回は黒本を使った練習方法のアイデアを書かせていただきます。

黒本を使った練習アイデア

黒本とは?

ジャズのジャムセッション現場でよく使われる“黒本“(納浩一著ジャズ・スタンダード・バイブル)とは、メロディーとコード進行が書かれた“リードシート“と呼ばれる譜面の載ったジャズスタンダード曲集です。




 

黒本のメロディー

ジャズのスタンダード曲には、2つのタイプの曲があります。

  1. 楽器のために書かれたメロディー
  2. ボーカルのために書かれた歌詞の付いたメロディー

前者の楽器の為に作られたメロディーをインスト曲と言い、こちらは基本的には譜面通りに演奏すれば良いのですが・・・

後者のウタモノ“と言われるボーカル曲は、リードシートにおいてはメロディーラインがとてもシンプルに書かれており、管楽器でそのまま譜面通りに演奏してしまうと、変化の乏しいつまらない演奏に聞こえてしまうことが多いです。

そのため多くのフロントプレーヤーやサックス奏者は、後者のボーカル曲(ウタモノ)に関しては、リードシート通りの音やリズムでは無く、変化をつけた演奏の仕方をしております。

そこで今回はこのジャムセッションで単調な演奏になってしまいがちな“ウタモノ“のメロディーに変化を付ける方法を紹介させていただこうと思います。

メロディフェイク その1

メロディーを変化させることを“メロディフェイク“と言い、主に2つの方法で演奏されております。

まず1つ目は、リズムを変化させる方法です。

例えば曲のメロディーが小節線の前から4分音符の動きで始まるようなメロディーの場合に、入りを半拍早くして、前の拍の裏から符点4分音符で伸ばす。

と言うようなリズムの変化を付ける練習をします。

例として黒本(納浩一著ジャズ・スタンダード・バイブル)にも掲載されているパブリックドメイン曲”But Not For Me”を使いこのリズムの変化を解説いたします。

先ずご覧いただくのはシンプルに書かれたリードシートです。

そして次にご覧いただきたいのがメロディの入りを半拍早くずらした譜例です。

いかがでしょうか、リズムの変化の付け方はお分かりいただけたでしょうか。

黒本に載っている様々な“ウタモノ“の曲で、メロディのフレーズが始まる部分で半拍前から入る練習をしてみましょう。

メロディフェイク その2

続いてのメロディフェイクの方法2つ目は、始まる前に音を加えてフェイクさせる方法です。

こちらは元のメロディの入りに半拍前や、直前(装飾音符)に引っ掛けるように任意の音を足してフェイクする方法です。

演奏の例としてこちらも黒本(納浩一著ジャズ・スタンダード・バイブル)に掲載されているパブリックドメイン曲”Moritat(Mack the Knife)”を使い解説させていただきます。

先ずはシンプルな繰り返しのメロディラインのリードシートです。

そして次はメロディの半拍前に8分音符で音を足した譜例です。

いかがでしょうか、このように既存のメロディの前に音を加えることによりシンプルな繰り返しのメロディに変化を付ける事ができます。

加える音も様々な音を試し、好みのフェイクの仕方を探していきましょう。

まとめ

今回は、黒本を使った練習方法のアイデアを書かせていただきました。

紹介させていただいたメロディフェイクの方法はとてもシンプルな方法ですが、先ず変化を付ける入門としては、効果の高い方法です。

この方法に慣れてきたら、他のメロディフェイクもつけられるように、様々な音源を聴き比べてメロディフェイクのやり方をお聞き頂くことをオススメします。

そして、ジャムセッションやバンド練習など実践の場で試していき、ご自身のメロディフェイクの仕方を探求していきましょう。

変化が付けられると、曲の演奏も、より楽しくなっていきます。

またの機会にはジャムセッション初心者のかたへの記事も書かせていただきたく思っております。

最後までご覧いただきありがとうございました!

ABOUT ME
森山 瑞樹
昭和音大卒業後、2017年短期渡米、NYで研鑽を積む。現在静岡、浜松を基盤に演奏、音楽教室講師を務める。クラシックサックスからジャズサックスへの奏法の違いを日々研究している。 好きな練習は『オーバートーン』。