ところでお手入れの方法は分かりますか?
とってもデリケートな楽器であるサックス。せっかく素敵なサックスに出会えたのなら長く大事に扱いたいですよね!
今回はサックスの基本的なお手入れお掃除方法について説明していきたいと思います!
大垣女子短期大学音楽総合科卒業。
第16回長江杯国際音楽コンクール第5位。第61回大垣市新人招待演奏会出演。
これまでにサクソフォンを長瀬正典、渡邊愛子、遠藤宏幸に師事。
ヤマハ音楽振興会認定講師。浜松生涯学習音楽協議会指導員。
サックスの手入れをしよう!
サックスを演奏した後は、管の中やタンポに水滴が付着しています。
そのままケースにしまってしまうとカビや腐食、劣化の原因になってしまうので、演奏後は必ず手入れをしてあげてください。
ここでは、その方法についてご紹介します!
1-1 楽器本体にクリーニングスワブを通す
練習後の楽器本体の中には水滴がついてしまっているので、それを取るためにクリーニングスワブという物を通します。
①まず、安全に扱うため楽器ケースの中などで楽器を立たせます。
②スワブの先端についた重りを上から、またはベルから入れます。この時スワブの紐が絡まったりしていると詰まりの原因になるので注意しましょう。
③重りを入れた反対側から出すように楽器を逆さにして重りを手で持ちます。
④重りを引っ張り通します。
⑤これを2、3回繰り返します。
※冬季やエアコンの効いた室内は楽器内部が結露しやすく内部に水滴がたまりやすいので回数を調整してください。
スワブの洗い方
基本的には汚れやにおいが気になってきたときにぬるま湯で手洗いするのがいいでしょう。
間違っても粉洗剤などを使ったり(サックスの内部にすすぎ残りが着く)、洗濯機で洗ったり(スワブもボロボロになる上に、中の金属の重りにより洗濯機の故障の原因にもなる)しないでください。
汚れがひどいときは中性洗剤を少し使う程度にしましょう。洗い終わったら日陰に干しましょう。
1-2 おすすめのクリーニングスワブ
アトリエトマアズ サックス本体用
静岡県浜松市にある楽器のメンテナンス用品を扱うメーカーで、どれも見た目が華やかなのが特徴です。
マイクロファイバーでできていて本体の布地は黒、紐のカラーは10色の中から選べます。
お値段は少しお高めですが一度使うとその圧倒的な吸水力に驚くでしょう。長くいいものを使いたい方におすすめです。
2.YAMAHAヤマハ サックス用スワブ
楽器店に立ち寄るとまず絶対置いてあるのがこれ!というくらい定番のラインナップです。
お値段もお手軽なのでとりあえずスワブが欲しい方はこれを選んでおけば間違いないでしょう。
2-1 タンポの水滴を取る
タンポというのはサックスの音孔を塞ぐためのキイの内側についているパッドのことです。
実はこのタンポは、主に羊などの動物性の革でできていて水分に非常に弱いのです。
このタンポが水分によってかびたり劣化してしまうと張り替えてもらう必要があるので、タンポの寿命を少しでも伸ばすために水滴をしっかり取る必要があります。
①二つ折りにしたクリーニングペーパーを音孔(トーンホール)とタンポの間に挟みます
②何度かキイを開閉します
③他のタンポも同様に行ってください
※この時クリーニングペーパーをタンポに挟んだまま引っ張らないようにしましょう。(タンポを傷つけてしまうため)
※すべてのタンポを同様にやってもらいたいのですが、特に管体の上のほうのタンポは水滴がたまりやすいので念入りにやりましょう。
2-2 おすすめのクリーニングペーパー
Galax クリーンペーパー
クリーニングペーパーのなかでもっとも定番の商品で、お値段もお手頃です。
YAMAHA ヤマハ クリーニングペーパーCP3
Galaxより少しお高めですが、紙質が変わり破れにくくなりました。
2-3 クリーニングペーパーの代わりになるもの
BG パッドドライヤー サクソフォーン用
基本的な使い方はクリーニングペーパーと変わりませんが、布なので繰り返し使えて経済的です。汚れてきたら水洗いをすれば長く使えます。
セルマー 吸水シート Lサイズ
BGと同様クリーニングペーパーと同じように使い、繰り返し使えます。シートが届きにくいところは付属のスティックを使うとやりやすいです。
あぶらとり紙
化粧品コーナーや100円ショップで売っている普通のあぶらとり紙(粉付きなどはダメ)もクリーニングペーパーのように使えます。
3-1 ネックにスワブを通す
楽器本体同様、ネックにもクリーニングスワブを通します。
管体用スワブとネック用スワブはサイズが違います!誤って大きいスワブをネックに通そうとして詰まってしまう事がありますので注意してください!
①ネックの下側(管体側)からスワブの重りを入れて通します
②2~3回繰り返しますここに本文を入力
3-2 おすすめのネック用スワブ
アトリエトマアズ サックスネック部用
本体用同様、マイクロファイバー製で紐の色が選べます。
YAMAHA ヤマハ Sサイズ
本体同様、楽器店に一番置いてある定番商品です。
4-1 マウスピースのお手入れ
樹脂製マウスピースは、水などで洗うのはなるべく控えましょう。
特にお湯や、アルコール配合のスプレーなども脱色の原因につながるので、絶対にやめましょう。
一般的なスワブを樹脂製のマウスピースに通してしまうとマウスピース内部が摩耗してしまうため、スワブを通したい方はこちらのスワブをおすすめします。
4-2 おすすめのマウスピースお手入れ用品
アトリエ トマアズ マウスピース用スワブ
本体用、ネック部分用同様マイクロファイバーでできています。
一般的なスワブを樹脂製のマウスピースに通してしまうとマウスピースが摩耗してしまうためスワブを通したい方はこちらののスワブをおすすめします。
マウスピースクリーナー
マウスピースにスプレーするタイプのマウスピースクリーナーが各メーカーから出ています。
ほとんどの物は楽器ケースの除菌などにも使えるので、一本持っておくのをおすすめします!
野中貿易 VIVACE マウスピースクリーナー
お値段もお手軽でどの楽器店でも手に入りやすいものです。デザインもシンプルなものからドラえもんやハローキティなどのかわいらしいものまであります。
YAMAHA ヤマハ マウスピースクリーナー
木管楽器、金管楽器両方のマウスピースに使用可能です。
(バンドレン製のエボナイトのマウスピースですと変色してしまう恐れもあるので注意してください。)
5-1 リードの手入れ
柔らかい布などでリードの水分をとります。この時にこすってリードを傷つけないようにしましょう。
水分をとったリードは購入時付属のプラスチックのケースか、別売りのリードケースにしまいます。乱雑に扱ってリードを割らないようにしましょう。
5-2 おすすめのリードケース
①ガラス置きタイプのもの
リードケースのなかにガラスの板が入っていて上の面がふかふかした布製になっているものです。値段は少し高いですがよりリードの状態をよく保ちたい方にはこちらをおすすめします。
シンプルなものからキャラクターが描かれているものまでさまざまなデザインがあり、5〜10枚収納できるようになっています。
②プラスチック製のもの
プラスチックなのでとても軽量かつ頑丈で、お値段もガラス製のものよりお手軽です。
また通し番号がふってあるものが多いのでリードの管理に便利です!リードを入れるときに割れないようにだけ注意しましょう。
デザインもさまざまなものがあり、10枚収納できるタイプが多いです。
③湿度管理機能のあるもの
リードは湿度が高すぎても低すぎてもダメージを受けてしまいます。湿度を一定に保つことでリードをより良い状態で管理できます。
ダダリオ ヴァイタライザー・リードケース マルチは、リードケースの中に湿度調整パックが入っておりリードに最適な湿度に管理してくれるものです。
ただし、梅雨時など湿度の高いときはカビが生えないように注意しておきましょう。
6 ケースにしまう前に・・・
楽器本体のエンドキャップをしめましょう。エンドキャップは、ケースの中での楽器のガタつきを防止してくれます。
最後に本体の指紋などをふき取り、お手入れ完了です!
まとめ
今回はサックス演奏後の手入れについてご紹介してきました。
前述しました通り、特にタンポは水分が大敵ですが、穴をふさいだり開けたりする役割をもつタンポを健康な状態を保つことが、サックス自体の健康を保つことにもつながります!
始めたばかりの初心者の方はもちろん、長く演奏されている方もこちらの記事で今一度手入れについて確認していただけると幸いです。
今回は【サックスの手入れをしよう!必要なものも合わせてご紹介!】について書かせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました!