初心者から上級者向けまで、豊富なラインナップを誇る唯一にして世界最大の総合楽器メーカー、ヤマハ株式会社。
日本製、コストパフォーマンスに優れた価格、アフターサービスと、製品としての魅力が大きく、最初の一本にも持って来いのメーカーです。
ヤマハ製サックスには数々のモデルがありますが、ラインナップによる特徴や違いは何なのでしょうか?
今回は「初心者~上級者まで!ヤマハ製アルトサックスラインナップまとめ」についてご紹介します!
ヤマハ製アルトサックスラインナップ
ヤマハのサックスには、大きく分けて「スタンダードモデル」「プロモデル」「カスタムモデル」の3タイプがあります。
性能や価格の違い等を、順を追って見て行きましょう。
スタンダードモデル
YAS-280
希望小売価格:140,000円(税抜)
サクソフォンをはじめる人にとって、大切な基本を重視した作りになっています。
音の出しやすさ、確かな音程、正しい構えで演奏できるキイのレイアウトがポイント。
他社の同価格帯のサックスに比べて圧倒的に音程が安定しており、操作性も抜群です。
価格、性能共に、初心者の方にぴったりのモデルです!
YAS-380
希望小売価格:185,000円(税抜)
YAS-280と比べて、フロントFキイがティアドロップ型に、左手Low C#ーLow Bbがシーソーキイになるなど、操作性の向上が図られています。
また、タンポカバーがYAS-62と同じ物が使用されているなど、外観も高級化が図られています。
YAS-480
希望小売価格:230,000円(税抜)
スタンダードモデルの中では最上位となるYAS-480ですが、280、380とは仕様にかなりの違いがあります。
ネックは480専用の物。また、オクターブ機構も異なり、こちらは62やカスタムネックの使用も可能になっています。これにより、鳴りがかなり向上しています。
380から搭載されているティアドロップ型フロントFキイ、左手Low C#ーLow Bbシーソーキイはもちろん、ベルにもしっかりとした手彫り彫刻が施され、所有欲を満たしてくれる高級感となっています!
下位の2機種とは性能、見た目共に格段の違いがあるので、ちょっと良いものを、とお考えの方にはおすすめです!
プロモデル
YAS-62
希望小売価格:295,000円(税抜)
YAS-62は、ヤマハで最も歴史のあるモデルです。
ヤマハのサックスの歴史=YAS-62の歴史といっても過言ではない、それほどの伝統あるモデルです。
62とヤマハのサックスの歴史についてはこちらの記事で詳しくご紹介していますので、是非合わせてご覧ください!
最初に良いものを購入して長く使いたい、とお考えの方は候補に入れて間違いないモデルといえるでしょう。
カスタムモデル
ヤマハ製サックスの中でも最上位にあたるカスタムモデル。
プロユースを考慮されて開発されましたが、そこはさすがのヤマハ、初心者~上級者まで非常に扱い易い楽器に仕上がっています。
値段は張りますが、一生の相棒にもなり得るであろうカスタムモデルを見ていきましょう。
YAS-82Z
希望小売価格:410,000円(税抜)
ヤマハのジャズ向けラインナップに位置するZシリーズ、他のヤマハ製管楽器にもZシリーズは存在します。
ジャズモデルらしく多彩な音色と幅広い音程が特徴です。2013年にマイナーチェンジが施され、その性能がパワーアップしています。
転載元:ヤマハ公式ホームページ
画像上:LowC#-B連絡に新しい機構が設定され、指の動きがよりスムーズに。
画像2番目:タンポにヤマハ初のメタルレゾネーターが採用され、クリアな音色と吹奏時の反応性が向上。
画像左下:ベルが2枚取り(2枚の真鍮をつなげてベルにする)から1枚取り(1枚の真鍮を丸めてベルにする)に。つなぎ目がなくなった事で中低音域の音のつながりがよりスムーズになり、音色の芯もさらに太く。
画像右下:フロントFキイが可動式に。High Fキイの開きが調節可能となった事で、プレイヤーに合わせたフラジオの調整が容易に。
また、付属ネックも専用V1ネックとなり、オプションのカスタムネックもラインナップの幅が広がりました。
初代YAS-62にいまだ根強い人気が集まっている中、82Zは現代の技術でカスタムした62を甦らせる、というコンセプトを持って開発されました。
ジャズの他、ポップス、フュージョン、ロックなど多様な音楽において強い味方になってくれるでしょう。
YAS-875Ⅲ
希望小売価格:505,000円(税抜)
カスタムモデル最初の機種となったYAS-855。
マイナーチェンジを重ね改良されていった855の、管体の形状を全く新しいものに刷新し発売されたのがYAS-875です。
現在発売中のモデルはマイナーチェンジを施した第3世代。
YAS-82Zとは全く方向性の違うコンセプトで設計されており、主にクラシックに特化した設計となっています。
後述のYAS-875EXに人気が集中している事もあり、楽器屋さんで見かける機会は少ないかもしれませんが、根強いファンも多く存在します。
YAS-875EX
希望小売価格:505,000円(税抜)
前述のYAS-855が生産中止となった際に新たにラインナップされたのがこちらYAS-875EX。
クラシックサックス界のスーパースター、須川展也氏が監修した事でも有名なモデルです。
クラシック系で音楽大学、プロ演奏家を目指す方にも人気が高く、クラシックに特化したサックスの中では最高峰といえるモデルです。
YAS-875Ⅲの吹き心地がややヘビーでプレイヤーを選ぶのに対し、EXはかなりの軽やかな吹き心地に仕上がっています。
ただ軽すぎて手ごたえが無かったり、鳴りの限界が浅いような事は決して無く、適度な抵抗感で太く柔らかでクラシックにぴったりの美しい音色を奏でてくれます。
軽やかな吹き心地と豊かで威厳あふれるサウンド、相反するはずの2つの要素が高いレベルで融合し共存しているところは、さすがのヤマハの開発力、といったところです。
YAS-875EXは2015年にマイナーチェンジが施され、現在は第2世代。特徴的な機構をご紹介します。
転載元:ヤマハ公式ホームページ
画像左上:カスタムモデル専用のオクターブ機構。独自のボールジョイントが採用され、スムーズな動作とともに抜群の耐久性を獲得。
画像右上:2番管のトーンホール位置、キーの配列が見直され、操作性、音程の安定感が抜群に向上。
画像左下:1枚取りベル。職人が1本1本手作業で加工しています。また、82Zとは趣の違う美しい手彫り彫刻も大きな魅力。
画像右下:U字管は加工法が変更され、低音の発音性が向上。安定した吹奏感と抵抗感を実現しています。
YAS-875EXには金メッキ、銀メッキなど仕上げの違うバージョンも多数存在し、プロユースにおけるニーズに幅広く応えるラインナップとなっています。
また、プロサックス奏者の選定品もヤマハ製サックスの中では最も多く出回っており、より良い個体を手に入れやすいのも魅力の一つ。
吹奏楽、クラシックにおいては最高峰といえる性能を備えるモデルです。
まとめ
サックスの3大メーカーの一角であるヤマハのラインナップについてご紹介してきました。
それぞれのモデルに明確な特徴とコンセプトがあることがおわかりいただけたかと思います。
特に初めてのサックス購入において安心して選べるメーカーかと思いますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
今回は「初心者~上級者まで!ヤマハ製アルトサックスラインナップまとめ」についてご紹介しました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!