こんにちは、森山瑞樹です。この記事では聴いておくべきジャズサックスプレーヤー、テナーサックス編ということで、今回は8人の紹介をさせていただきます。
今回挙げさせていただくプレイヤーから影響受けた、また違うスタイルの素晴らしいプレーヤーもまだまだたくさんおりますので、それは改めての機会に書かせていただきたいと思います。
今回もアルトサックス編と同様に、YouTubeリンクを貼らせていただきますのでどうぞたくさんお聴き比べください。
この記事の監修
昭和音大卒業後、2017年短期渡米、NYで研鑽を積む。現在静岡、浜松を基盤に演奏、音楽教室講師を務める。クラシックサックスからジャズサックスへの奏法の違いを日々研究している。
好きな練習は『オーバートーン』。
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聴いておきたいジャズサックスプレーヤー8選
1.レスター・ヤング(Lester Young)
1909-1959年。
ビバップ期のスターアルトサックス奏者チャーリーパーカーからも目標にされたスウィングジャズを代表するテナーサックス奏者。
ビリーホリデイにサックス界のプレジデントという意味でつけられた“プレス”と愛称で人気を博した。ソフトで洗練されたトーンとスウィング期には殆ど見られなかったリズム(タイム)のノリでその後のミュージシャンに大きな影響を与えた。
2.ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)
1930年-
ビバップ、ハードバップ期から活躍し続けるジャズテナーサックスの巨人。
歌心溢れ、素晴らしく“鳴った”サックストーンとフレーズのアイデアの豊富さ、表現力はリスナーにもミュージシャンにも絶大なる人気を誇る。
長いキャリアの中で自己のスタイルをブレずに持ち続け、録音も名盤が数多く残され、ライブ盤の人気も高い。
70年代以降に録音され始めたソプラノサックスの演奏も素晴らしい。
3.デクスター・ゴードン(Dexter Gordon)
1923-1990年。
ビバップ期からハードバップ期において絶大なファンと評価を得たテナーサックスプレーヤー。コレが自分のサックスの音だ、というようなストレートな吹き込みから溢れでるサウンドと人柄は、ライブ演奏時の自身によるMCの語り口にも表れる。
ジャズを題材にした映画の中で評価がとりわけ高い“ラウンドミッドナイト”で主役(モデルはジャズピアニストのバド・パウエル)を務め、アカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた、因みにこの映画にデクスター・ゴードンと共に出演したジャズピアニスト、ハービー・ハンコックはこの作品でアカデミー作曲賞を受賞した。
4.ジョン・コルトレーン(John Coltrane)
1926-1967年。
世界的に有名なテナー、ソプラノサックスプレーヤーだが、無名時代が長く、一線で活躍した期間はわずか10年あまり。
しかし、その10年程の期間で世界に与えた衝撃は大きく、多くの名演と常に前進し続ける姿でジャズ界を先導した。”MyFavoriteThings”でのソプラノサックス演奏は多くの音楽ファンにソプラノサックスの印象を強く残した。
5.ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)
1933年-
ジャズ界を代表する才能溢れるアーティストであり、テナーサックス奏者という紹介だけではウェイン・ショーターは語りきれない。
作曲家としても後進のミュージシャンに影響を与え続け、ジョニ・ミッチェルとの演奏のソプラノサックスでも音楽的にもサウンドも奇跡的といえる名演を残している。
現在も活動を続け2019年第61回グラミー賞、最優秀ジャズ・インストゥメンタル・アルバム賞を始め、通算9度のグラミー賞を受賞している。
6.ブランフォード・マルサリス(Branford Marsalis)
1960年-
弟の世界的なトランペッター、ウィントン・マルサリスと共にジャズ界で活躍し続けるマルサリスファミリーの長男にして、一家の中で最も才能に恵まれたと評価されるサックスプレーヤー。
テナーサックスのみならず、スティングの名曲“Englishman in New York”でのソプラノサックスの名演、アルトサックスでもクラシック曲の録音アルバムも発表しており、ジャンルの垣根を”越えられた“ジャズ奏者としても評価され続けるであろう。これからの活躍にも注目したいアーティストである。
7.ジョシュア・レッドマン(Joshua Redman)
1969年-
若手ジャズミュージシャンの登竜門と成りつつあるセロニアス・モンク・コンペティション1991年の覇者。(2位エリック・アレキサンダー、3位クリス・ポッター)ハーバード大学主席卒業後、イェール大学の法律学院進学の超インテリジャズミュージシャン。ジャズ史において最もスマートでどこの演奏箇所を取り出してもカッコいいミュージシャン筆頭なのではないだろうか。
その様な点からもジャズファンのみならずクラシック愛好家からの支持も厚い。
2020年5月23日にオンラインで行われた、TOKYO JAZZ +Plus Live Streamでのジャズピアニスト上原ひろみとの初共演デュエット”What a Wonderful World”ではジャズファンへの大きなサプライズプレゼントを世界中に届けた。
8.マイケル・ブレッカー(Michael Brecker)
1949-2007年。
グラミー賞11回受賞のジャズ界、フュージョン界のレジェンドテナーサックスプレーヤー。
ロック界、ポップス界のミュージシャンからの評価も高く、様々なボーカリストのバックでの名演も数多く残している。デビュー当初は、フュージョン、ロックプレーヤーとして認識される事が多く、長らくジャズファンからは賛否があったがキャリアを積んでいく中で世界中のリスナー、奏者からの称賛を集め続けた。
まとめ
いかがでしたでしょうか?聴いておくべきジャズサックスプレーヤー、テナーサックス編ということで8人のプレイヤーを紹介させていただきました。
またの機会にソプラノ・バリトン編もお送りできればと思います。
今回は「聴いておきたいジャズサックスプレーヤー8選【テナーサックス編】」をご紹介させていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!